IHクッキングヒータって、電磁波が多く出るの?電磁波の影響は大丈夫なの?
IHクッキングヒータが特に多量の電磁波を出すということはありません。また、IHクッキングヒータが人の健康に悪い影響を及ぼすとは考えられません。
火を使わないのに高火力からとろ火までどんな料理にも対応できるIHクッキングヒータ。IHとは「電磁誘導加熱」という意味で、その仕組みは、トッププレートの下にある加熱コイルに電流が流れると磁力線が発生し、この磁力線が鍋を通るとき渦電流が流れ鍋そのものが発熱するというものです。

こうしたことから電磁波が多いと思われがちですが、IHクッキングヒータが発生する電磁波は通電時でほぼ50ヘルツ、調理時の加熱コイルからは20~90キロヘルツで、電磁波の発生量は普段家庭で使用しているほかの電気製品と同じレベルなのです。
電磁波が健康に及ぼす影響については世界保健機関(WHO)や資源エネルギー庁など、国内外の公的機関が検討や評価を行っています。科学的にも疫学的にも結論付けられていないのが現状で、「居住環境における電磁界が健康に有害である証拠は認められていない」という見解が示されています。

現在、国際非電離放射防護委員会(ICNIRP)※が1998年にWHOなどの科学的知見をもとに定めた数値がガイドラインとして国際的に認められており、IHクッキングヒータはこのガイドラインを大幅に下回っています。つまり、IHクッキングヒータの電磁波が直ちに健康に悪影響を与えるものではないと考えられます。
ただし、心臓用ペースメーカをお使いの方は、念のため専門医師にご相談されて使用されることをおすすめします。
※世界保健機関(WHO)と公式的な関係を持つ非政府組織(NGO)で、大学の研究者や有識者によって構成されている。
いざというとき活躍する電気調理器
7月16日、また新潟中越沖地震という大地震が起きました。近年頻発する各地の地震を考えると、日頃の備えが重要です。
万が一、被災してしまったとき、重宝するのが電気調理器です。電気はガスや水道に比べて復旧が早いため、持ち運びできるIH調理器(一口タイプ)や電子ジャー、オーブントースタ、電子レンジなどが簡単調理に大活躍。火を使わないため安全で、加熱による殺菌効果も食品の衛生管理に役立ちます。
いざというときに備え、非常用食品などとともに、電気調理器のチェックもお忘れなく。
広報紙「MiRaI」Vol.16 2007 秋号 より転載