波及事故防止のために

ENCOURAGEMENT

停電

私たちの身の回りで起こる停電は、大きく電力会社の電線路や配電設備の損壊等により物理的に送電不能となる場合や、若しくは事故の拡大を防止するため変電所において自動的に送電停止することが原因であります。

波及事故とは、高圧受電設備などで発生した事故が原因で、電力会社の変電所において自動的に送電停止し、接続されているビル、工場や住宅等にも停電の影響を受ける事故をいいます。

波及事故となる事故は、大きく事故発生率順に列記しますと(1)保守不備 (2)自然災害(雷害等) (3)作業者の過失 (4)鳥獣接触 に起因されますが、自社のみならず付近にも影響がおよび場合によっては、損害賠償を請求されるケースも考えられ、自家用設置者の責任が問われるものです。

(1)保守不備に起因する事故

波及事故発生箇所の90%は、引込用の電柱(又は地中引込用開閉器)から主遮断装置の間の引込用ケーブルや主遮断装置等で発生しております。
通常、電気管理技術者は、月次点検等において目視により異常の有無を確認しており、また年次点検等において動作試験や絶縁抵抗測定等、機器の性能確認を行っております。
また、これらの機器は経年により劣化等が進みますので、一定度の年数での更新が推奨されております。

機種 更新推奨時期
高圧交流負荷開閉器 屋内用 15年又は定格負荷電流開閉回数200回
屋外用 10年又は定格負荷電流開閉回数200回
GR付開閉器の制御装置 10年
高圧CVケーブル 水の影響がある場合 15年
水の影響がない場合 20~30年
断路器 手動操作 20年又は操作回数100回
動力操作 20年又は操作回数1,000回
避雷器   15年
高圧交流遮断器   20年又は規定開閉回数
計器用変成器   15年
保護継電器   15年
高圧限流ヒューズ 屋内用 15年
屋外用 10年
高圧交流電磁接触器   15年又は規定開閉回数
高圧進相コンデンサ、直列リアクトル、放電コイル   15年
高圧配電用変圧器   20年

(2)自然災害(雷害等)に起因する事故

第2番目に多い事故として列挙されるのが雷害や高圧受電設備内への雨水の浸入があります。雷害対策としては避雷器の設置であり、特に区分開閉器を避雷器内蔵型のものに交換するのも有効です。
この避雷器を有効に機能させるために、電気管理技術者は年次点検時に接地抵抗地を測定し機能確認を行っています。
また雨水の浸入については筐体の排熱との問題もありますが、雨水の浸入防止板の施工等が必要であります。

(3)作業者の過失に起因する事故

中々、根絶されない事故として建設や土木の作業者によるもので、掘削作業や改築工事中に電力ケーブルの切断や損傷事故があります。
ケーブルの埋設箇所には、標柱やケーブル標識シートを敷設し、注意喚起を行う必要があります。またこのような工事を伴う場合は、必ず電気管理技術者に一報し事前打合せが必要です。

(4)鳥獣による発生する事故

高圧引込用区分開閉器や高圧受電設備内で鳥獣による事故が発生するケースがあります。
高圧引込用区分開閉器上のカラスの営巣、高圧受電設備(キュービクル)内に小動物が侵入し高圧重電部に触れ短絡や地絡事故が発生する事故が起きます。
電気管理技術者は、月次及び年次点検の際に小動物の侵入箇所の有無等を確認し必要な措置を講じております。

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以上、各機器等について肌理細かな事故防止対策が必要となりますが、波及事故を防ぐ有効的な措置としましては、GR付高圧区分開閉器を設置し、所内で発生した事故を構外に流出させない対策があります。未設置の事業所におかれましては是非電気管理技術者とご相談の上、設置することを推奨いたします。